「Go To Travel キャンペーン」の中止・延期案(説)がでています。「Go To トラベル」が延期・中止になったらどうなるのでしょう。
中止・延期となれば、旅行関係産業の倒産が増えると思われます。
単純な数ヶ月の延期であれば、スケジュールが後ろ倒しになるだけですが、中止になると影響が大きいです。
「Go To トラベル」の予算
まずは予算の視点からです。
組まれた予算は観光業への補助
「Go To トラベル」はコロナの影響を受け、休業や売上減となった観光関係産業への公的な補助という意味合いで予算が組まれました。令和2年度補正予算案として成立しています。
令和2年度に成立した予算は令和2年度内に執行しなければいけません。年度末に工事などが急ぎで行われているのは予算を消化するためと言われています。予算を使い切れなければ、不必要だったお金だとみなされ翌年からは予算が減ってしまうらしいです。
「Go To トラベル」の予算は特別な予算ですが、観光産業の復活のために、早めに消化したいものです。
一刻も早く観光産業にお金を回したいのですが、ただ単にお金をばらまく訳にはいかないです。適切に経済を回して支援を行うのが「Go To トラベル」でした。
地域限定旅行
既に都道府県等が予算を組んだ宿泊支援制度(ふっこう割)が多く行われています。ほとんどが地域限定で、すでに割引を受けた旅行が行われています。
この自治体独自の制度は「Go To トラベル」に先駆ける制度となっていますが、政府の予算ではなく、各自治体等の予算で行われています。これも中止・延期となっている場合もありますが、自治体ごとの話なので大きなニュースにはなっていません。
旅行者の規模の話でも、地域限定のものと「Go To トラベル」では動く数が違います。だから、政府のキャンペーンにばかり矛先が向くのでしょう。
旅行者への影響
中止や延期を求める声も大きいですが、既に旅行を予約している人も多いです。旅行者への影響を考えてみます。
ただでキャンセルできるか
「Go To トラベル」で旅行の申込みをした人は多いです。最初から割引されているプランが販売されるのは7月27日からとなっていますが、その前に予約した旅行も「還付」の対象になり、後から割引が受けられるようになっています。
キャンペーン目当てで申し込んだ人は納得がいかないはずです。割引なしならば、キャンセルしたいという人も出てくるでしょう。突然キャンセルしなければならないとなったら、旅行者も観光産業側も痛手だ。
結論としては、すでに予約済みのものは「割引対象」とするということになるでしょう。実際に「「Go To イート」終了の際も、その時点で予約の受付を終了するが、それまでに予約されたものはポイントが付くというものでした。
これに準じるかたちになるでしょう。
緊急事態なら休業補償とセットだった
「Go To トラベル」の中止が問題視されるのは、「旅行の禁止」ではなく、「割引の中止」だからです。
緊急事態宣言が発令された時は、「旅行の禁止(自粛)」が求められた。だから、観光施設も休業を余儀なくされ、旅行者もホテルもキャンセル料なしで「やむを得ない」キャンセルとなりました。
一方、「割引の中止」だけであれば、ホテル自体は営業しているし旅行自体を禁止しているわけではありません。
ホテルは客がいなくなるのは困りますし、観光客は割引がなくなるのは困ります。
税金をキャンセル料にあてるとは考えにくい
「Go To トラベル」の原資は税金です。税金を使って、キャンセル料に当てるとは考えにくいです。
東京発着の「Go To トラベル」が延期となった際は、急な対応だったこともあり、国が条件にあてはまるものには返金を行っていました。
しかし、批判も多くありました。同じ轍を踏むことはせず、「既に予約されたものは適用」とするか「事前に自己負担になる旨を通知」するかになるでしょう。
観光産業が心配
中止になるということなら、観光産業への影響が心配です。
大手旅行会社の賞与が出ない、社員の削減などのニュースが出ましたが、それ以上に困っているのは中小の旅行会社やホテル、ドライブイン、観光農園などのはずです。
かきいれ時となるはずの長期休み・年末年始にまで影響が出ると、本格的に倒産・連鎖倒産の心配が出てきます。
「命優先、旅行は後でもできる」というのが、「Go To キャンペーン延期・中止派」の意見です。観光産業にも命があることを考えると、簡単に中止・延期はできないのでは?と思います。