事故 PR

静岡で横転した観光バスの運行会社は「美杉観光」クラブツーリズムが企画

クラブツーリズム
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

2022/10/13お昼頃、観光バスが横転したというニュースが入ってきました。

当初は「県外の観光バス」という説明でしたが、現場の写真などから、クラブツーリズムが企画する埼玉県飯能市の「美杉観光」運行のバス会社に事故であることがわかりました。

ツアーの内容などを紹介するとともに、元旅行会社社員として添乗員経験もある筆者の見解をお伝えしたいと思います。

観光バス横転事故の概要

痛々しい写真とともに、事故の概要を朝日新聞が報じています。

バスには大きく「クラブツーリズム」のロゴが書かれており、旅行会社クラブツーリズムが企画したツアーということがわかります。

ちなみに、クラブツーリズムは近畿日本ツーリストと同グループの会社ではありますが、小会社などではありません。

近畿日本ツーリストからパッケージ旅行をウリにして、分社化したのが「クラブツーリズム」で、ツアー観光バスの稼働台数は日本一と言われています。

クラブツーリズム企画ツアーの内容:静岡への日帰りツアー

また、具体的なツアーもほぼ特定されているようです。

フルーツ&海鮮お持ち帰り!ふじあざみラインで行く!富士山五合目&駿河湾クルーズ』【狭山市・入間市・飯能 出発】というツアーのようで、埼玉県西部の狭山市・入間市・飯能駅を出発したツアーのようです。

ツアーは日帰りで、クラブツーリズムのホームページによると以下の行程になっています。

狭山市(7:30発)–入間市(7:50発)–飯能(8:20発)–<ふじあさみライン(車窓)>–富士山須走口五合目[自由散策/50分]【10:40頃】–沼津[金目鯛の煮付け、桜海老御飯など伊豆の幸御膳の昼食/50分]【12:10頃】–三津浜(富士山望む駿河湾クルーズ/乗船15~20分]【13:40頃】–三島わさび工場[工場見学・買物]–道の駅・ゲートウェイ函南[買い物/計30分]【14:30頃】–飯能(17:30予定)–入間市(18:00予定)–狭山市(18:20予定)

こちらの富士山須走口五合目から沼津の途中での事故と見られます。

クラブツーリズムは企画会社、美杉観光バスが運行会社

旅行会社「クラブツーリズム」とバス会社「美杉観光バス」の名前が出てきて、混乱している方もいるでしょう。

旅行会社の多くは自社でバスなどの交通手段を保有せず、バス会社に委託をして、ツアー運行を行っています。

大手のJTBもHISも近畿日本ツーリストも基本的には同様です。ツアーの企画、お客さんの募集を行いますが、運行はバス会社が行います。

クラブツーリズムの観光バス会社一覧はホームページに記載されています。

クラブツーリズム・契約バス会社一覧

こちらに「美杉観光バス」の名前もあります。

クラブツーリズムがバス会社にツアー運行を委託して、美杉観光バスの運転手が運行していたということになります。

ちなみに、添乗員についてはとくにニュースになっていませんが、添乗員についても多くは添乗員の派遣会社に委託しています。

そう考えると、企画した旅行会社は運行には直接関わっていないということになりますね。

企画主催は「旅行会社のクラブツーリズム」、運行会社は「バス会社の美杉観光バス」ということですが、委託会社は直前まで決まらないので、お客さんへの責任はクラブツーリズムが背負うことになります。

そして、クラブツーリズムがバス会社に請求するという形です。

「美杉観光バス」はクラブツーリズムが懇意にしているバス会社

今回、注目を浴びたのは「クラブツーリズム」のマークが書かれたバスを美杉観光バスが運行している点です。

これも委託契約によるものです。

旅行会社はバス運行ができる社員を雇用していませんから、バス会社に運行を依頼することになります。

年間一定額の支払を行うことで「ラッピングバス」の運行を委託しています。マークがあるバスだとブランド力をアピールすることができます。

バス会社としても大手旅行会社とのパイプができますし、繁忙期と閑散期がある観光バス会社にとっては、年間通じて仕事を得られるのでメリットは大きいです。

多くのバス会社がありますが、ラッピングバスを運行しているのは一部の会社だけですから、美杉観光バスはクラブツーリズムが懇意にしていたバス会社だということができるでしょう。

まとめ:バス事故がなくなることを願います

静岡での観光バス横転事故について解説してきました。

全国旅行支援が始まり、観光需要が高まるタイミングでの事故ということで非常に残念です。

バス会社の運行、乗務員の勤怠管理、クラブツーリズムからの指示などに不備がなかったのか、しっかり調査し、再発防止を徹底することを切に願います。