※「Go To Travel キャンペーン」は旅行会社・宿泊施設にお金が分配することになりましたが、キャンペーン開始前の予想ということでお読みいただければと思います。
「Go To Travel キャンペーン」で国から観光産業への補助金が出されることが決まった。
委託先業者などが問題になっているが、その選定基準等は私にはわからない。
自治体から旅行者(消費者)まで届けられる流れは、過去の「ふるさと割」での支援から予想できるので具体的数字を用いて、考えてみよう。
「Go To キャンペーン」お金の流れ
まず、全体のイメージから、
①国が地方自治体に割引券を渡す
②地方自治体が割引券を使い切れるよう人数を計算
③人数及び料金を旅行会社に提案
④旅行会社がツアーを作成
⑤旅行会社がツアー参加者を募集する
⑥旅行者が参加
⑦割引券が換金され、自治体及びホテル等に分配される
「Go to キャンペーン」 自治体→旅行代理店
具体的な数字や自治体名、会社名を入れて、考えてみます。(フィクションです。)
①国が札幌市に10万円分の割引券を渡します。
②割引券が使えるのは1泊につき宿泊代金の半額以下で2万円までとしているので、
1泊2万円のホテルに半額1万円の割引、10回分と決定します。
③札幌市がJTBに旅行プランを作ってもらうよう依頼します。
「ロイヤルホテルは1泊2万円ですが、1万円は国から補助金がでます。」
④JTBがツアーを作成します。
「東京出発で札幌市のロイヤルホテルに宿泊する1泊2日のツアーを作る」
「飛行機と宿泊だけのフリープランにしよう。」
(非常に簡略化して考えます)
東京と新千歳の往復航空代金は1万円。ロイヤルホテルの宿泊は実質1万円
会社の利益を1万円として、ツアー代金を3万円にしよう。
「Go to キャンペーン」 旅行代理店→旅行者
⑤旅行会社がツアー参加者を募集する。
JTBがツアーを発表。
「1泊2日でロイヤルホテルに宿泊できて、3万円!」
ホームページで募集したときに、他のツアーは通常の支払い代金にJTBの利益が
乗っているので、同じ1泊2日のツアーでも4万円くらいが相場です。
3万円となると破格なので、申し込みが集まります。
3万円のツアーに10人申し込みがありました。
⑥旅行者が参加
旅行者がツアーに参加します。
「ロイヤルホテルに泊まれて、3万円なんてお得ね!」と満足度が高い。
お客さんはアンケートなどを書くことで「Go to キャンペーン」に参加した
証拠をホテルに提出する。
ホテル→自治体→国に参加者の証明がされ、割引券が現金となる。
10名の参加で10万円です。
⑦割引券が換金され、自治体及びホテル等に分配され、旅行代理店に還元。
参加人数(割引券の利用人数)に応じて、国から自治体へお金が渡される。
これが、旅行を販売した代理店に戻される。
トータルのお金の流れ
ロイヤルホテル:宿泊代金2万円×10名分を旅行会社から受け取る。(20万円)
JTB:ツアー代金3万円×10名分を旅行者から受け取る。(30万円)
航空券代金:1万円×10名 宿泊代金:2万円×10名 (30万円)
「Go to キャンペーン」の補助金(1泊1万円×10名分)が、
自治体を通して旅行会社に支払われる。(10万円)
こう見ると、地域観光産業への貢献というより、旅行会社への補助金じゃない?と思えてしまうかもしれませんが、また別記事で解説しようと思います。