「Go To Travel キャンペーン」で割引の対象となるのは、指定した旅行会社を通すツアーです。誰もがインターネットを使う時代では、旅行に行くのにも交通機関とホテルだけ予約するという人も多いです。交通機関とホテルをそれぞれ予約する人は移動手段はANA、JR、近鉄などの交通機関のサイトで予約。ホテルは「じゃらん」や「楽天トラベル」で予約している人が多いようです。
インターネットの普及により、旅行の「個人化」が進んでいますが、「Go To Travel キャンペーン」の適用は団体旅行が多くなる可能性がありますので、団体旅行の種類について説明します。
団体旅行は「貸切ツアー」「パッケージツアー」「移動手段のみが共通のツアー」に分かれ、1番「Go To Travel キャンペーン」の対象になりそうなのは3つ目の移動手段のみが共通のツアーです。1つ1つ見ていきましょう。
貸切団体のツアー
一般的に、団体旅行という「貸切ツアー」のことを想像すると思います。修学旅行や会社での慰安バス旅行などが該当します。先に団体が決まっていて、団体の人数が同時に移動できるように新幹線やバス、ホテルなどを手配します。今では、会社の慰安旅行で集団のバス旅行などをやっている会社は少ないでしょうから、高校の修学旅行を想像するのがわかりやすいと思います。
貸切ツアーは多くの人数が確保できるので、旅行会社にとっては設けるチャンスです。ホテルもバスも多くの人数分を一気に確保することでスケールメリットを出すことができますから、かつては積極的に営業を行っていた旅行形態でした。しかし、休みの日まで会社の人と一緒にいたくないと思う人は多く、また慰安旅行に行けるほどの余裕がない会社も多く、次第に廃れてきました。
なにより、コロナ禍では「密」を生みますから、貸切ツアーはほとんどないでしょう。
添乗員付きパック旅行
旅行会社が販売している複数の観光地を周るパック旅行も団体旅行の1つです。新聞の広告でよく見るものです。「京都・奈良の紅葉3日間 6万円」みたいなツアーです。これはもともと全体の人数が決まっていませんが、旅行会社が「募集したい」人数を決めています。基本は貸切旅行と一緒で、大人数を一気に予約することで割引料金で旅行を行い、その分、旅行会社の利益としています。
パック旅行といえば、添乗員が旗を掲げて案内するものが代表的なものです。1台のバスに様々な場所から申し込みした、様々なお客さんが乗るので、「添乗員」が旅行を仕切ります。旅行客からすると、添乗員に任せていれば魅力的な観光地に連れて行ってもらえるので、楽に旅したい人には魅力的です。ただ、観光地での滞在時間やホテルの食事時間などが決められていることが多いので、時間の融通が利かないことはデメリットと言えるでしょう。
添乗員付きのパック旅行が「Go To Travel キャンペーン」のメインとなると思っていましたが、コロナウイルスの脅威が続いているので、より「個人化」される3つ目のパターンが多くなるかもしれません。
移動手段のみ共通のツアー
最近では多くなっているパターンです。「草津温泉2日間!2万円」のようなツアーで、東京駅に集合して、バスとホテルが予約されているもの。前の章のツアーから観光地での滞在と添乗員がいなくなったものと考えればいいでしょう。観光地に寄る場合は、見どころや集合時間などを仕切る人がいないと団体がまとまりませんが、観光地に寄らず、温泉に直行などというパターンです。
添乗員もいりませんし、食事なども各自で準備できれば「移動手段のみのツアー」ができあがります。最近はこれが人気です。「団体行動」が煩わしいと思う人が多いのでしょう。これも立派な「団体旅行」で、「バスを貸切って、複数のお客さんでシェアする」「新幹線の複数の席を予約して、終着駅からホテルのマイクロバスで移動してもらう」というのもあります。
このケースが1番「密」を避けると言う意味では効果的でしょう。しかし、ホテルと交通手段を予約するだけなので、旅行者が単独で予約した時と価格を比較されやすく、旅行会社にとっては利益を上げにくいというデメリットがあります。
コロナ対策という意味では各自、新幹線か車で旅行に行くのがいいんでしょうが、「Go To Travel キャンペーン」は旅行会社への補助という観点も考えるとそういう訳にはいかない気もします。。