「Go to キャンペーン」が8月上旬に開始予定であることが発表されました。「Go to キャンペーン」はコロナウイルスの影響で打撃をうけた観光産業を支援するために、国が観光需要を喚起させようと予算を組んだ補助金。最大旅行代金の半額が補助されるという。旅行者は通常の半額で旅行に行けるということでお得なキャンペーンだ。「Go to キャンペーン」は旅行会社のツアーに申し込むことで補助金を受けることができるという。
「じゃらん」でホテルを予約し、JRやANAのホームページに行けば交通手段も自分で予約できるため、旅行会社のツアーに申し込んだことがない人も多いと思う。「Go to キャンペーン」に参加するために、旅行会社のツアーに初めて参加する人もいると思うので、元旅行会社社員の私が団体旅行への申込み方法を解説します。
「Go to キャンペーン」の旅行を探す
まずは「Go to キャンペーン」の補助金が適用される旅行を探しましょう。「Go to キャンペーン」のツアーは各旅行会社で販売されます。大手だどJTB、近畿日本ツーリスト、HIS、日本旅行、JALパックなどです。これらのホームページに「Go to キャンペーン」のバナーなどができていると思うので、そこからツアーを探しましょう。ただ、販売された直後は旅行会社のホームページにアクセスが殺到する可能性もあるので、行きたい自治体のホームページからどの旅行会社でツアーを扱っているか確認できる場合もあります。行き先が決まっていれば、自治体のホームページから探してみましょう。
ネットから行き先・ツアー内容、料金と宿泊数、出発時間を確認
旅行会社のホームページに辿り着いて、目的となる場所にいけるツアーがあったら具体的な内容を確認していきましょう。
「旅行日」「行き先・ツアー内容」「旅行代金」「宿泊数」「出発時間」などです。
旅行日
団体旅行はすでに旅行の設定日が決まっています。仕事を休んで行ける日が限られている場合はツアーがある日でなければ参加できません。「Go to キャンペーン」は観光需要喚起の目的のため、旅行者の少ない平日にツアーが組まれることが多いと思います。また、旅行代金に関しては、1泊2日の場合、土曜日出発が高い。金曜日・日曜日出発がやや高い可能性あり。その他の曜日が安いという傾向があります。2泊以上でも土日が含まれると少しずつ高くなります。また、紅葉の見頃など旅行客が多くなると思われる時期も代金が高くなります。
行き先・ツアー内容
目的の宿泊先や観光地がツアー内容に入っているか確認しましょう。注意したいのはホテルの特定の部屋に泊まりたいとか、夕食バイキングを食べたいという場合、ツアーでは別の内容となる場合があるので注意です。「スイートルームに泊まる」「タラバガニなど30種の夕食バイキング」などと記載があって、写真があれば間違いないでしょう。
旅行代金
「Go to キャンペーン」の対象であれば、宿泊代金が安くなり、お土産がつく場合もあるため、お得なはずです。ただし、旅行会社の利益がのっていて(旅行会社もコロナウイルスによって被害をうけた事業者ですが)、他の観光地なども余計に追加されている場合もあります。単純に車で行って、自分でホテルを予約したほうが安いということもあるので、「Go to キャンペーン」だから、全て安い!と一概に決めるのは危険かもしれません。また、「Go to キャンペーン」では単純に国からの補助金がホテルや旅行会社などに支払われるため、旅行者であるあなたは立替などの必要はなく、最初から割引された代金で旅行に参加することができます。
宿泊数、出発時間・帰着時間
盛りだくさんのツアーだと思っていたら、2泊3日だと思っていたのが3泊4日であるとか、新幹線じゃなく、飛行機利用だったとかいうこともありますので、内容を細かく見ましょう。あとは、出発時間と帰着時間です。おおよその時間が書いてあることが多いですが、出発場所に確実に時間が間に合うか、帰着時間が多少遅れても自宅まで帰れるかを調べておきましょう。電車で30分くらいかなと思っていても、朝早い時間は電車の本数が少なかったり、集合場所がホームから歩いて10分近くかかることもあります。余裕をもって間に合うようであれば大丈夫です。
インターネットから申し込み。契約書面をもらう
インターネットから申し込み
ツアー内容や旅行代金に納得し、内容も確認したら、申込みを行いましょう。申込みは氏名や住所、電話番号、メールアドレスを登録して旅行代金の支払い方法を決定するという流れです。申し込みにあたり、旅行会社の会員にならなければいけない場合も多いです。
旅行代金は先払いになります。銀行振込やクレジットカードなどから支払い登録をしましょう。クレジットカードならその場で登録、銀行振込であれば振込先を伝えられて銀行等で振り込むことになります。基本的には先払いをして、当日の支払いは不要という形です。決められた旅行代金の他に任意保険の加入とオプショナルがある場合もあります。旅行時の怪我等に備えて、保険に入る。夕食後に追加料金を払ってロープウェーで夜景鑑賞に行けるなどのプランを任意で申し込むことができたりします。保険もオプショナルも申し込まなくても、なにも問題ありません。
団体旅行の契約書面をもらう
申込みが完了したら「契約書面」が送られてきます。これは郵送の場合もあれば、メールの場合もあります。法律の話になるのですが、「旅行業法」では旅行の契約が締結されたら、「契約書面」で旅行会社から旅行者に旅行内容を証明しなければならないこととなっています。基本的にはホームページで書いてあることがそのまま書いてあります。旅行期間・ツアータイトル・旅行行程・食事条件・注意事項などです。注意事項は細かく書いていてすべて読むことはないと思いますが、「取消料の発生日」だけチェックしておきましょう。取消料の発生日前にキャンセルすれば、支払った代金はすべて返ってきます(振込手数料は除く)。キャンセルする可能性もあると思いますので、カレンダーにメモしておきましょう。「旅行開始の2週間前」などと記載されているだけのこともありますので、その場合は自分で遡って計算しましょう。
申し込んだときにもらうのが「契約書面」ですが、新幹線の時間等が決まっていない場合、新幹線の時間が決まったあとに送られてくるのが「確定書面」です。乗る電車や飛行機の時間が確定したときに送られてくるのが「確定書面」です。具体的な集合場所や直前の注意事項など、細かいことが書いてあります。新幹線や飛行機はギリギリまで調整していることもあり、出発1週間前をきって送られてくることもあります。バス旅行など出発時間が決まっている場合は確定書面は省略してもいいことになっています。
参加したらあとはお任せ
当日を迎えて、集合場所についたらあとはお任せです。添乗員さんがいる場合は添乗員さんについていけばいいだけです。それで指示された電車やバスに乗って行くだけです。常識的に休憩が取られて、疑問点はだいたい序盤に説明してくれます。添乗員さんがいなくて、バスの運転手で受付する場合や新幹線のチケットが自宅に送られてくる場合も集合場所について、決められた乗り物に時間通りに乗ることができればあとは安心してオッケーです。乗り物の中で予定を再確認しつつ、のんびりしながら旅行のはじまり!となります。
注意点 集合時間、団体行動をまもる
団体旅行の注意点は「集合時間」と「集団行動」をまもることの2点です。
団体旅行では集合時間を守る
集合時間に遅れることが一番怖いです。逆に言うと、集合時間に間に合えばあとは安心です。集合時間に遅れた場合、新幹線ならもちろん待ってもらえませんし、バス旅行でも待ってもらえて15分くらいでしょう。集合時間に遅れると支払った旅行代金すべてが無駄になる可能性もあります。多少の遅れであれば、あとから追いつくこともできますが、その費用は自腹です。新幹線の場合、自由席で後の列車に乗れる場合がありますが、添乗員によるツアーの場合、添乗員のもつ団体券で新幹線に乗るため、丸々自腹となることもあります。バス旅行なら、旅行会社と連絡をとって最初の休憩地までタクシーで行くという選択肢もありますが、連絡が複雑ですし、それだけで数千円がかかってきます。
団体旅行では集団行動のルールを守る
あとは団体旅行に参加したら、最低限のマナーとして集団行動を意識しましょう。出発後も出発時間が決められることがありますので、その都度必ず守るようにしましょう。食事時間が決められることもあります。団体旅行は団体でホテルや観光地を利用することで割引をうけることができています。団体なので、ホテルでの食事時間を指定されることもあります。少し遅れたことで食べられなくなることはないと思いますが、ルールに則ることで安く参加できているという意識は持ちましょう。また、観光地でも基本は団体行動です。一番いい角度で写真を撮りたいとみんな思っていますが、みんあ同じ気持ちであることを忘れないようにしましょう。1人10秒使っているとそれが団体の人数分時間がかかり、一般の旅行客にとっては「団体」が占領しているという印象になってしまいます。
まとめ
団体旅行の流れをまとめてみました。「Go to キャンペーン」はコロナ禍が続く中で行われそうなので、「団体旅行」の形が維持されるかはわかりません。形は変われど、団体旅行は「旅行業法」に則って募集や予約、実際の旅行が行われることになります。基本的にはここに書いたことで旅行に参加していただけると思います。