「Go To トラベル キャンペーン」開始から、約1ヶ月が経過し、利用人数が約420万人になることが公表されました。旅行に行きにくい雰囲気はありますが、多くの人が旅行に行っていることがわかります。
これから初めて申し込む方もいるかと思いますが、キャンセルする際の注意点があります。
それは元々の支払額よりキャンセル料が高くなる可能性があるということです。
キャンセルする時は元の旅行代金が基準になる
事務局のホームページに取り扱いに関するマニュアルが載っており、そこにキャンセル料の取り扱いも書いてあります。URLが変わることがあるので、事務局のページのURLだけ載せておきます。
https://biz.goto.jata-net.or.jp/
以下の図がわかりやすいです。(「Go To トラベル マニュアル」より引用)
左の図の支払額より、右の図の取消料の幅が広いことがわかると思います。具体例を用いて説明します。
2万円のツアーに申し込んだ場合のキャンセル料は?
2万円の日帰りツアーに申し込んだとします。(地域共通クーポンは想定しません)
「Go To トラベル キャンペーン」の割引で35%オフになり、
割引額が7,000円、実質負担額が13,000円となります。
この旅行をやむを得ず、キャンセルする場合、所定のキャンセル料がかかります。
ちなみに、今回は取消料が100%かかる場合を想定していますが、実態として100%のキャンセル料がかかるのは当日の無断キャンセル(ドタキャンのことですね)だけです。
当日のキャンセルでも出発前に連絡すれば、50%がキャンセル料となり、50%は返金されることになります。(これは旅行会社のルールに準じたもので、鉄道会社や航空会社は独自のキャンセル料に関するルールがあります。)
話を戻して、無断キャンセルをした場合、元の旅行代金の20,000円がキャンセル料としてかかることになります。
元々払っていたのは、実質負担金の13,000円ですが、キャンセルした場合は追加で7,000円支払わなければならないことになります。
なぜ、実質負担金よりキャンセル料のほうが高いの?
旅行会社視点で考えると、予定通りにツアーに参加した場合は、13,000円を旅行者から、7,000円をキャンペーンで国からもらえることになります。合計で20,000円の売上です。
当日キャンセルされた場合、支払われている旅行代金(13,000円)はキャンセル料としてもらえますが、「Go To トラベル キャンペーン」分の7,000円は実際には参加していないので、もらえないことになります。
旅行会社としては7,000円もらい損ねたことになります。(実態としては食事のキャンセルなどができれば、まるまる旅行会社が損するわけではありませんが。)
旅行者が取り消したものに対して、旅行会社が損を被らないよう、「元の旅行代金」を基準にキャンセル料をとることにし、結果として旅行者が支払った以上のキャンセル料を支払うようになっているということになります。
台風や大雪なども不安材料
秋から冬は悪天候で旅行を中止しなければならないケースが多くなります。
「台風直撃」や「大雪」が決定的で、公共交通機関も運行を取りやめる程度の状況になっていなければ、ツアー旅行がキャンセルとなることは少ないです。
旅行会社としては、利益を全て失うことになりますし、旅行者自らキャンセルするのであれば規程に則ってキャンセル料をもらうことができるからです。
旅行する場合、前日のキャンセルという場合でも、キャンセル料はだいたい旅行代金の40%です。
「Go To トラベル キャンペーン」を使った場合(上記の例の場合)、13,000円の40%ではなく、元の旅行代金20,000円の40%がキャンセル料としてかかります。
まとめ
想定外のキャンセル料がかかることがあるのが、「Go To トラベル キャンペーン」の落とし穴かもしれません。
ルール上は(当日無断キャンセルの場合)、支払っているものから追加でキャンセル料をとることができるわけですが、実際はほとんど行われないと思います。実態としては旅行会社がすべて損するわけではないですし、数千円程度に手間をかけるのは効率が悪いからです。
キャンセル料が支払額以下の場合は問答無用で旅行会社に取られて、残りを返金されるかたちになると思いますので、ご注意ください。